ハフポ従業員、労働組合結成運動への参加を呼びかける公開書簡を発表:新興メディアで相次ぐ動き

世界15カ国で運営され、もはやネットメディアの老舗ともいえるハフィントン・ポスト。(以下ハフポスト)

ネット上の一つのプラットフォームとして大きな存在感を見せているハフポストですが、本国のアメリカでは、リベラル(進歩主義)な論調のメディアとしても認知されています。実際、アメリカの労働組合の運動に対しても、US版ハフポストは肯定的な論調を展開してきました。

そんなハフポストの従業員たちが今、自社の労働組合結成に向けた動きを活発化させています。また、同様の動きが、他のアメリカの新興メディアでも相次いでいます。

「労組の結成はハフポストにとって正しいこと」

11月18日、労組結成を目指すハフポストの従業員たちは、労組結成運動への参加を呼びかける書簡を83人の従業員の連名でネット上に公開しました。

ハフポストUS版編集部で勤務する約300人の従業員に対し、書簡で以下のように呼びかけています。

「私たちは、民主的な職場環境で労働者が働くべきだと信じている進歩主義的な報道機関で働いています。この報道機関は、『労働者の団体交渉権は、この国の労働環境を向上させるために必要不可欠なモノである』という考えを社風として社内全体で共有していると言って良いのではないかと思います。

労組を結成するということは、私たちが報道機関として発信している理想を体現する一つの方法であると思っています。」

書簡では、社員の福利厚生が不十分であることや、マネージメント面での決定権が社内で曖昧になっていると指摘し、こう述べています。

「労組を結成することで、私たちが声を上げる場が確保できます。そうすることで、私たち社員の間でのつながりはより強固なモノになるでしょう。」

「ジャーナリストが安定した職種ではなないことを認めよ」

書簡はメディアとハフポストの現状について以下のように指摘します。

「率直に認めようではありませんか。ジャーナリストが、安定した職種ではなく、先行き不透明な職種であるということを。ハフポストは、この5年間で所有者が2回変わっています。(ハフポストは2011年にAOLに買収された。2015年にはそのAOLがベライゾンに買収される)

ハフポストは成長し続けており、それは素晴らしいことです。しかし、この先何があるかは分かりません。」

この動きに対するハフポスト側の反応

ハフポストの労組結成を目指す動きに対し、ガーディアンの取材で以下のように答えています。

「弊社にとって、社員の幸福と生き甲斐の増進を図ることはとても重要です。社員は労組の結成を協議する権利がありますし、今行われている協議がどういう結果になろうと、弊社としては彼らが下した決断を全面的に支持します。」

新興メディアで相次ぐ労組結成の動き:否定的な意見も

ハフポスト以外の新興メディアも、相次いで労組を結成しています。既に、Slate、アルジャジーラ・アメリカのデジタルニュース部門、ガーディアンのアメリカ支局、Gawker、ThinkProgresやViceでは労組が結成されています。

一方、新興メディアの労組結に否定的な意見を示しているのが、Buzzfeed創業者のジョナ・ペレッティ氏です。

「労組は、一定の職種では重要な役割を果たしてきたと思います。例えば、工場の労働者のような、人を替えても特に支障がない職種の場合、労働者は労組を通じて雇用主などと交渉することで、自分の仕事や権利を守っていった部分があると思います。

弊社のように、柔軟さとダイナミックさが求められるような企業の場合は、労組が存在することはあまり良いことには思えません。」

賛否両論ある新興メディアの労組結成ですが、 ハフポストUS版の今後の動きは、「新興メディアの労働運動」に大きな影響を与えると言っていいのではないかと私は思います。

http://www.theguardian.com/us-news/2015/nov/18/huffington-post-employees-union-movement

http://www.huffingtonpost.com/news/labor-unions/

http://progressive.org/intv1109.html

http://us11.campaign-archive2.com/?u=3eee192e989db0cc50c43c158&id=2aa0a808a9

AUTHOR

清田健介

THE MEDIA HACK寄稿者。翻訳者。